インタラクティブなグローバル環境(マニュアル11章)
注:緑色の部分は省略可能.
ハイパーリンク,ボタンの追加
ボタンをクリックした時に,あるスライドにジャンプさせたい場合は,ハイパーリンクを使用する.使用するためには,3つのステップをふむ必要がある.
まず1つ目は,\hypertarget (または \label)でターゲットをマークする.次に,\beamerbuttonやその他のボタン関連コマンドで,ボタンを描画する.最後にそのボタン関連コマンドを\hyperlinkコマンドの内部に入れる.
これで,ボタンをクリックするとターゲットのスライドにジャンプする.
- \hypertarget<overlay specification>{target name}{text}
例 \begin{frame} \begin{itemize} \item<1-> First item. \item<2-> Second item. \item<3-> Third item. \end{itemize} \hyperlink{jumptosecond}{\beamergotobutton{Jump to second slide}} \hypertarget<2>{jumptosecond}{} \end{frame}
overlay specificationでオーバーレイが使用できる.textはターゲットの内容,target name はラベルである.
articleモードでハイパーリンクを使用したい場合,プリアンブルに\usepackage{hyperref}を記述しなければならない.
また,上記例では,2つ目のアイテムに飛ぶように設定しているが,frameにラベルをつけた場合,label<number>という記述をtarget nameに使用することできる.
例 \begin{frame}[label=threeitems] \begin{itemize} \item<1-> First item. \item<2-> Second item. \item<3-> Third item. \end{itemize} \hyperlink{threeitems<2>}{\beamergotobutton{Jump to second slide}} \end{frame}
ボタン
- \beamerbutton{button text}
button textを含むボタンを描画.
例: \hyperlink{somewhere}{\beamerbutton{Go somewhere}}
- \beamergotobutton{button text}
button textを含むボタンを描画.
テキストの前に小さなシンボルも追加される.
通常,右矢印1つ.
- \beamerskipbutton{button text}
button textを含むボタンを描画.
テキストの前に小さなシンボルも追加される.
通常,右矢印2つ.
- \beamerreturnbutton{button text}
button textを含むボタンを描画.
テキストの前に小さなシンボルも追加される.
通常,左矢印1つ.
テンプレートの詳細は,p.97~
リンク
- \hyperlink<overlay specification>{target name}{link text}<overlay specification>
オーバーレイ指定が可能.指定できるスライドは1つ.link textには文字でもボタンでもよい.
それをクリックするとtarget name でラベル付けされてるターゲットにジャンプする.
オーバーレイを指定すると指定されたスライド以外 link textを表示しない.
- \hyperlinkslideprev<hoverlay specificationi>{link text}
クリックすると1つ前のスライドにジャンプ.
- \hyperlinkslidenext<hoverlay specificationi>{link text}
クリックすると1つ後のスライドにジャンプ.
- \hyperlinkframestart<hoverlay specificationi>{link text}
クリックすると現在のフレームの最初のスライドにジャンプ.
- \hyperlinkframeend<hoverlay specificationi>{link text}
クリックすると現在のフレームの最後のスライドにジャンプ.
- \hyperlinkframestartnext<hoverlay specificationi>{link text}
クリックすると次のフレームの最初のスライドにジャンプ.
- \hyperlinkframeendprev<hoverlay specificationi>{link text}
クリックすると前のフレームの最後のスライドにジャンプ.
上記4つのフレーム間移動のコマンドの
"frame"を"subsection","section"に置き換えたコマンドも存在する.
- \hyperlinkpresentationstart<hoverlay specificationi>{link text}
クリックするとプレゼンテーションの最初のスライドにジャンプ.
- \hyperlinkpresentationend<hoverlay specificationi>{link text}
クリックするとプレゼンテーションの最後のスライドにジャンプ.appendixはのぞく.
- \hyperlinkappendixstart<hoverlay specificationi>{link text}
クリックするとappendixの最初のスライドにジャンプ.
appendixがない場合は,ドキュメントの最後のスライドにジャンプ.
- \hyperlinkappendixend<hoverlay specificationi>{link text}
クリックするとappendixの最後のスライドにジャンプ.
- \hyperlinkdocumentstart<hoverlay specificationi>{link text}
クリックするとドキュメントの最初のスライドにジャンプ.
- \hyperlinkdocumentend<hoverlay specificationi>{link text}
クリックするとドキュメントの最後のスライドにジャンプ.
appendixが存在する場合,appendixの最後のスライドにジャンプする.
テンプレートは,p.97〜を参照.
例1 \frame{ \begin{theorem} A=B \end{theorem} \begin{overprint} \onslide<1> \hfill\hyperlinkframestartnext{\beamerskipbutton{Skip proof}} \onslide<2> \begin{proof} B=C \end{proof} \end{overprint} }
例2 \frame<1>[label=mytheorem] { \begin{theorem} A=B \end{theorem} \begin{overprint} \onslide<1> \hfill\hyperlink{mytheorem<2>}{\beamergotobutton{Go to proof details}} \onslide<2> \begin{proof} B=C \end{proof} \hfill\hyperlink{mytheorem<1>}{\beamerreturnbutton{Return}} \end{overprint} } \appendix \againframe<2>{mytheorem}
後でスライドを再び表示させる
- \againframe<overlay specification>[<default overlay specification>][options]{name}
label=name オプション付きのframeを後でもう一度表示させたい場合,そのframeの内容をもう一度記述しなくても\againframeで呼び出すだけでよい.
frame内に複数のスライドがある場合,overlay specificationで指定したスライドを表示できる.default overlay specification,optionsはframeのものを
指定できる.nameは表示したいframeのlabelを指定.articleモードでは無視される.
ズーム
- \framezoom<button overlay specification><zoomed overlay specification>[options](upper left x,upper left y)(zoom area width,zoom area depth)
button overlay specificationが適用されると,frame内にクリックできるエリアが挿入され,そのエリアのサイズは,zoom area width,zoome area depthで指定されたものである.
このエリアの左上のコーナーの座標は, upper left x,upper left yで指定できる.
(0pt,0pt)は,内部コンテンツ(ヘッダー,タイトル等をのぞいた本文)の左上座標を指す.
オプション,border=width in pixels(widthは省略化,デフォルト1 pixel.)によって,ズームエリアの境界を描画することができる.
色は,hyperrefのlinkbordercolorで指定できる.
デフォルトは,50%グレイである.
この色を変えたい場合は,\hypersetup{linkbordercolor={red green blue}}で色を指定することができる.それぞれとりうる値は0から1である.
作られたズームエリアをクリックするとそのエリアと対応するzoomed overlay specificationで指定されたスライドにジャンプする.ジャンプした後に,元のズーム前のスライドに戻る時はクリック.
例 \begin{frame}<1>[label=zooms] \frametitle<1>{A Complicated Picture} \framezoom<1><2>[border](0cm,0cm)(2cm,1.5cm) \framezoom<1><3>[border](1cm,3cm)(2cm,1.5cm) \framezoom<1><4>[border](3cm,2cm)(3cm,2cm) \pgfimage[height=8cm]{complicatedimagefilename} \end{frame} \againframe<2->[plain]{zooms}
この例では,はじめのフレームは,本来4つのスライドで構成されているが,frame<1>のみを表示するようにしており,これによりタイトル,イメージのみが表示される.
次のフレームは,againframe<2->で呼び出された元のframeの2,3,4番目のスライドで構成される.各ズームされたイメージを表示するスライドはplainオプションによりヘッダ等が省略されている.
最初のフレームで表示されているイメージ内には,framezoomで指定された3つのエリアが挿入され,それらをクリックすると,対応したスライドにジャンプする.
(私的メモ):スライドを進めていった場合,ズームされた図が挿入されているスライドも表示していくことになる.ズームした図を本編に含めたくない場合,例と同様にframeは一枚目だけ表示するようにしておき,\appendix以降に\againframe<2-> [plain]{zooms}と記述し,ズーム絵をappendixにまわせばよい.