Beamer_manual_4


インタラクティブなグローバル環境(マニュアル11章)

 


注:緑色の部分は省略可能.

ハイパーリンク,ボタンの追加
ボタンをクリックした時に,あるスライドにジャンプさせたい場合は,ハイパーリンクを使用する.使用するためには,3つのステップをふむ必要がある.
まず1つ目は,\hypertarget (または \label)でターゲットをマークする.次に,\beamerbuttonやその他のボタン関連コマンドで,ボタンを描画する.最後にそのボタン関連コマンドを\hyperlinkコマンドの内部に入れる.
これで,ボタンをクリックするとターゲットのスライドにジャンプする.

  • \hypertarget<overlay specification>{target name}{text}
 例 \begin{frame} \begin{itemize} \item<1-> First item. \item<2-> Second item. \item<3-> Third item. \end{itemize} \hyperlink{jumptosecond}{\beamergotobutton{Jump to second slide}} \hypertarget<2>{jumptosecond}{} \end{frame} 

overlay specificationでオーバーレイが使用できる.textはターゲットの内容,target name はラベルである.
articleモードでハイパーリンクを使用したい場合,プリアンブルに\usepackage{hyperref}を記述しなければならない.
また,上記例では,2つ目のアイテムに飛ぶように設定しているが,frameにラベルをつけた場合,label<number>という記述をtarget nameに使用することできる.

 例 \begin{frame}[label=threeitems] \begin{itemize} \item<1-> First item. \item<2-> Second item. \item<3-> Third item. \end{itemize} \hyperlink{threeitems<2>}{\beamergotobutton{Jump to second slide}} \end{frame} 

ボタン

  • \beamerbutton{button text}

button textを含むボタンを描画.

例: \hyperlink{somewhere}{\beamerbutton{Go somewhere}}
  • \beamergotobutton{button text}

button textを含むボタンを描画.
テキストの前に小さなシンボルも追加される.
通常,右矢印1つ.

  • \beamerskipbutton{button text}

button textを含むボタンを描画.
テキストの前に小さなシンボルも追加される.
通常,右矢印2つ.

  • \beamerreturnbutton{button text}

button textを含むボタンを描画.
テキストの前に小さなシンボルも追加される.
通常,左矢印1つ.

テンプレートの詳細は,p.97~

リンク

  • \hyperlink<overlay specification>{target name}{link text}<overlay specification>

オーバーレイ指定が可能.指定できるスライドは1つ.link textには文字でもボタンでもよい.
それをクリックするとtarget name でラベル付けされてるターゲットにジャンプする.
オーバーレイを指定すると指定されたスライド以外 link textを表示しない.

  • \hyperlinkslideprev<hoverlay specificationi>{link text}

クリックすると1つ前のスライドにジャンプ.

  • \hyperlinkslidenext<hoverlay specificationi>{link text}

クリックすると1つ後のスライドにジャンプ.

  • \hyperlinkframestart<hoverlay specificationi>{link text}

クリックすると現在のフレームの最初のスライドにジャンプ.

  • \hyperlinkframeend<hoverlay specificationi>{link text}

クリックすると現在のフレームの最後のスライドにジャンプ.

  • \hyperlinkframestartnext<hoverlay specificationi>{link text}

クリックすると次のフレームの最初のスライドにジャンプ.

  • \hyperlinkframeendprev<hoverlay specificationi>{link text}

クリックすると前のフレームの最後のスライドにジャンプ.
上記4つのフレーム間移動のコマンドの
"frame"を"subsection","section"に置き換えたコマンドも存在する.

  • \hyperlinkpresentationstart<hoverlay specificationi>{link text}

クリックするとプレゼンテーションの最初のスライドにジャンプ.

  • \hyperlinkpresentationend<hoverlay specificationi>{link text}

クリックするとプレゼンテーションの最後のスライドにジャンプ.appendixはのぞく.

  • \hyperlinkappendixstart<hoverlay specificationi>{link text}

クリックするとappendixの最初のスライドにジャンプ.
appendixがない場合は,ドキュメントの最後のスライドにジャンプ.

  • \hyperlinkappendixend<hoverlay specificationi>{link text}

クリックするとappendixの最後のスライドにジャンプ.

  • \hyperlinkdocumentstart<hoverlay specificationi>{link text}

クリックするとドキュメントの最初のスライドにジャンプ.

  • \hyperlinkdocumentend<hoverlay specificationi>{link text}

クリックするとドキュメントの最後のスライドにジャンプ.
appendixが存在する場合,appendixの最後のスライドにジャンプする.

テンプレートは,p.97〜を参照.

 例1 \frame{ \begin{theorem} A=B \end{theorem} \begin{overprint} \onslide<1> \hfill\hyperlinkframestartnext{\beamerskipbutton{Skip proof}} \onslide<2> \begin{proof} B=C \end{proof} \end{overprint} } 
 例2 \frame<1>[label=mytheorem] { \begin{theorem} A=B \end{theorem} \begin{overprint} \onslide<1> \hfill\hyperlink{mytheorem<2>}{\beamergotobutton{Go to proof details}} \onslide<2> \begin{proof} B=C \end{proof} \hfill\hyperlink{mytheorem<1>}{\beamerreturnbutton{Return}} \end{overprint} } \appendix \againframe<2>{mytheorem} 

後でスライドを再び表示させる

  • \againframe<overlay specification>[<default overlay specification>][options]{name}

label=name オプション付きのframeを後でもう一度表示させたい場合,そのframeの内容をもう一度記述しなくても\againframeで呼び出すだけでよい.
frame内に複数のスライドがある場合,overlay specificationで指定したスライドを表示できる.default overlay specification,optionsはframeのものを
指定できる.nameは表示したいframeのlabelを指定.articleモードでは無視される.

ズーム

  • \framezoom<button overlay specification><zoomed overlay specification>[options](upper left x,upper left y)(zoom area width,zoom area depth)

button overlay specificationが適用されると,frame内にクリックできるエリアが挿入され,そのエリアのサイズは,zoom area width,zoome area depthで指定されたものである.
このエリアの左上のコーナーの座標は, upper left x,upper left yで指定できる.
(0pt,0pt)は,内部コンテンツ(ヘッダー,タイトル等をのぞいた本文)の左上座標を指す.
オプション,border=width in pixels(widthは省略化,デフォルト1 pixel.)によって,ズームエリアの境界を描画することができる.
色は,hyperrefのlinkbordercolorで指定できる.
デフォルトは,50%グレイである.
この色を変えたい場合は,\hypersetup{linkbordercolor={red green blue}}で色を指定することができる.それぞれとりうる値は0から1である.
作られたズームエリアをクリックするとそのエリアと対応するzoomed overlay specificationで指定されたスライドにジャンプする.ジャンプした後に,元のズーム前のスライドに戻る時はクリック.

 例 \begin{frame}<1>[label=zooms] \frametitle<1>{A Complicated Picture} \framezoom<1><2>[border](0cm,0cm)(2cm,1.5cm) \framezoom<1><3>[border](1cm,3cm)(2cm,1.5cm) \framezoom<1><4>[border](3cm,2cm)(3cm,2cm) \pgfimage[height=8cm]{complicatedimagefilename} \end{frame} \againframe<2->[plain]{zooms} 

この例では,はじめのフレームは,本来4つのスライドで構成されているが,frame<1>のみを表示するようにしており,これによりタイトル,イメージのみが表示される.
次のフレームは,againframe<2->で呼び出された元のframeの2,3,4番目のスライドで構成される.各ズームされたイメージを表示するスライドはplainオプションによりヘッダ等が省略されている.
最初のフレームで表示されているイメージ内には,framezoomで指定された3つのエリアが挿入され,それらをクリックすると,対応したスライドにジャンプする.

(私的メモ):スライドを進めていった場合,ズームされた図が挿入されているスライドも表示していくことになる.ズームした図を本編に含めたくない場合,例と同様にframeは一枚目だけ表示するようにしておき,\appendix以降に\againframe<2-> [plain]{zooms}と記述し,ズーム絵をappendixにまわせばよい.