Beamer_manual_3


静的なグローバル構造(マニュアル10章)

 


注:緑色の部分は省略可能.

タイトルページ

  • \titlepage

\frame{\titlepage},\frame[plain]{\titlepage}といった方法でタイトルページを作成することができる.
タイトルページだけスタイルを別にしたい場合,plainオプションを指定することでスタイルの影響を受けないスライドを作成することができる.
自前でテンプレートを作成することもできる.その時に使用することができるコマンドは以下である.

  • \insertauthor
  • \insertdate
  • \insertinstitute
  • \inserttitle
  • \insertsubtitle
  • \inserttitlegraphic

articleモードでは,\maketitleを使う.

titlepageで表示される内容

    • タイトル
      • \title[short title]{title}

short title はヘッダーまたは,フッターに表示される.
titleで改行を使用したい場合は\\を使用する.
articleモードではshort titleは無視される.

    • サブタイトル
      • \subtitle[short subtitle]{subtitle}

short subtitleはデフォルトでは使用されないが,\insertshortsubtitleで表示をすることができる.

    • 著者
      • \author[short author names]{author names}

名前は,\and で区切ることができ,所属がそれぞれ異なる場合は,\instコマンドで指定することができる.
例として,\author[Hoge et al.]{H. Hoge\inst{1} \and F. Foo\inst{2}}といった記述ができる.
short バージョンは,articleモードで無視される.

    • 所属
      • \institute[short institute]{institute}

複数の所属を表示させた場合は,\andを使用して各所属を区切る.また同時に,所属の前に\inst{number}を使う必要がある.

 例 \institute[Hoge Hoge]{ \inst{1}Hoge \and \inst{2}HogeHoge } 

articleモードではshortもlongも表示されない.

    • 日付
      • \date[short date]{date}

\date{\today}という使い方の他に\date[ABCD 08]{International Conference ABCD 2008}といった使い方もできる.articleモードでは省略される.

    • タイトル図
      • \titlegraphic{text}

text部に図を表示するようにして使用する.例としては,\titlegraphic{\pgfuseimage{titlegraphic}}として図を表示.\pgfuseimageで使用できるタイプは,pdf,jpg,png,eps,epsi,ps か?articleモードでは省略.

    • サブジェクト
      • \subject{text}

PDF document infoにsubjectとしてtextを追加.

    • キーワード
      • \keywords{text}

PDF document infoにkeywordsとしてtextを追加.

\title と\authorもPDF document infoに追加される.もし,これらのコマンドで複雑な記述をしている場合,エラーになることがある.
その場合は,\documentclass[usepdftitle=false]{beamer}として,titleとauthorをPDF document infoに追加しないようにすることができる.

セクション,サブセクションの追加

これらのコマンドで改行を使用することはあまり望ましくはないが,\breakhereコマンドを使うことで改行することができる.

    • \section<mode specification>[short section name]{section name}

section name は \tableofcontentsとナビゲーションバーで表示される.
ただし,short section name が存在する場合は,short section name がナビゲーションバーに表示される.
mode specification を使用することでモード別の仕様を作成することができる.

table of contents のテンプレートで使えるコマンドは以下である.

      • \inserttocsection : 現在のセクションのテーブルを挿入.
      • \inserttocsectionnumber :現在のセクションのテーブル番号を挿入.
    • \section<mode specification>*{section name}

目次のスライドを作成する際にセクションを使用すると,目次のスライドもテーブルに追加されてしまう.
テーブルに追加したくないが,ナビゲーションバーには表示したい場合は,このコマンドを使用する.

    • \subsection<mode specification>[short subsection name]{subsection name}
    • \subsection<mode specification>*{subsection name}

\sectionと同じ仕様なので詳しくは\sectionを参照.

    • \subsubsection<mode specification>[short subsubsection name]{subsubsection name}
    • \subsubsection<mode specification>*{subsubsection name}

\sectionと同じ仕様なので詳しくは\sectionを参照.

セクション,サブセクションの追加(発展編)

今どの部分を発表しているのかを示すために,各セクション,サブセクションごとに目次のスライドを挿入したい場合がある.
そんな時は以下のコマンドを使用する.

    • \AtBeginSection[special star text]{text}

各セクションの先頭に目次のスライドを挿入.special star text にセクション名をいれるとそのセクションの扱いは"*"と同じになる.
articleモードでは無効なコマンドである.

 例 \AtBeginSection[] % Do nothing for \section* { \begin{frame}<beamer> \frametitle{Outline} \tableofcontents[currentsection] \end{frame} } 
    • \AtBeginSubsection[special star text]{text}

使い方は,AtBeginSectionと同じである.

 例 \AtBeginSubsection[] % Do nothing for \subsection* { \begin{frame}<beamer> \frametitle{Outline} \tableofcontents[currentsection,currentsubsection] \end{frame} } 
    • \AtBeginSubsubsection[special star text]{text}

使い方は,AtBeginSectionと同じである.

パートの追加

パートでの区切りを用いた場合に使用する.詳しくは,ドキュメント10.3章を参照.

レクチャーノートでのコースごとの分割

全講義内容を1つのファイルにまとめて記述したレクチャーノートを作成したい場合に有用.
ラベルと\includeonlylectureを使えば,その週の講義内容だけ表示ということも可能.
詳しくは,ドキュメント10.4章を参照. 少し説明します.

    • \lecture[short lecture name]{lecture name}{lecture label}

lecture name は,\insertlecture コマンドで利用でき,short lecture nameは,\insertshortlecture で利用できる.

 例 \begin{document} \lecture{Vector Spaces}{week 1} \section{Introduction} \section{Summary} \lecture{Scalar Products}{week 2} \section{Introduction} \section{Summary} \end{document} 
    • \includeonlylecture{lecture label}

このコマンド行の後に存在する \lecute に続く \frame, frame, \section, \subsection, \part は label にマッチしたものを除いて表示されなくなる.
このコマンドの前に存在するフレームは表示される.通常このコマンドはプリアンブルに書くべきである.つまり,全週の授業内容をまとめて一つのファイルにしておくと作成されたpdfは全週の内容を含むことになる.しかし,このコマンドをプリアンブルに書いておけば,指定したlabelをもつ\lectureのみを含むpdfを作成することができる.

例: \includeonlylecture{week 1}
    • \AtBeginLecture{text}

text は各lecture前に挿入される.

例: \AtBeginLecture{\frame{\Large Today's Lecture: \insertlecture}}

この例ではtextに\frameを使用しているので,各lectureの前にこのスライドが挿入される.
また,\insertlecture コマンドを使用して各lecure nameを取得している.

目次

    • \tableofcontents[comma-separated option list]
 例 \section*{Outline} \begin{frame} \tableofcontents \end{frame} 

comma-separated option listのオプションは以下である.

      • currentsection

現在のセクションを表示.このコマンドは,sectionstyle=show/shaded,subsectionstyle=show/show/shadedという
オプションを指定したのと同じである.

      • currentsubsection

現在のサブセクションを表示.
ubsectionstyle=show/shadedと同じ.

      • firstsection=section number

セクションの開始番号を操作できる.

      • hideallsubsections

すべてのサブセクションが隠される.
subsectionstyle=hideと同じ.

      • hideothersubsections

現在のサブセクション以外のサブセクションを隠す.
subsectionstyle=show/show/hideと同じ.

      • part=part number

パートの開始番号を操作できる.

      • pausesections

各セクションごとに停止される.概要説明の際に1つずつ説明していきたい時に有用.

      • puasesubsections

各サブセクションごとに停止される.概要説明の際に1つずつ説明していきたい時に有用.

      • sections={overlay specification}

表示するセクションを指示できる.
sections={<2-4| handout:0>}とした場合,ノーマルモードでは,2〜4のセクションを表示し,handoutの時はセクション表示はしない.

      • sectionstyle=style for current section/style for other sections

スタイルとして,show,shaded,hideが使える.
show は通常表示.shaded は半透明.hideは完全に隠す.
2つ目のスタイル指定は省略できる.その時は常に1つ目のスタイルで表示.
sectionstyle=show/shadedとすると,現在のセクションの時は表示.
他のスライドの時は半透明にして表示.

      • subsectionstyle=style for current subsection/style for other subsections in current section/style for subsections in other sections

スタイルは,sectionstyleと同じである.
3つ目のスタイルは省略でき,2つ目のスタイルが他のセクション時の動作を担う.
2つ目のスタイルも省略でき,すべての状況下で1つ目のスタイルに基づき表示する.
subsectionstyle=show/shaded/hideとすると,現在のサブセクション時は通常表示,
現在のセクションだが他のサブセクション時は半透明表示,他のセクション時は隠す.
プレゼンではこのスタイルが効果的である.

テンプレートの詳細は,p.93〜を参照.

Bibliography

 \begin{thebibliography}{longest label text} environment contents \end{thebibliography} 
    • \bibitem<overlay specification>[citation text]{label name}

\bibitemを使用する.\bibitem はオーバーレイが使える.
1つのスライドに収まらない場合は,allowframebreaksを参照.

 例 \begin{frame} \frametitle{For Further Reading} \begin{thebibliography}{Dijkstra, 1982} \bibitem[Solomaa, 1973]{Solomaa1973} A.~Salomaa. \newblock {\em Formal Languages}. \newblock Academic Press, 1973. \bibitem[Dijkstra, 1982]{Dijkstra1982} E.~Dijkstra. \newblock Smoothsort, an alternative for sorting in situ. \newblock {\em Science of Computer Programming}, 1(3):223--233, 1982. \end{thebibliography} \end{frame} 

\bibitem のはじめに著者,次に\newblockした後のブロックにはタイトル,同じように,次のブロックはジャーナル名,その次のブロックは注釈になる.

テンプレートは,p.95〜参照.

Appendix

    • \appendix<mode specification>

appendixは本文とは独立した形で扱える.appendixの内容を記述するすべてのframe,section,subsectionの前に\appendixコマンドを使用する.
実際に,\appendixの効果が始まるのは,\section{\appendixname}のように\appendixnameを記述してからである.

 例 \begin{document} \frame{\titlepage} \section*{Outline} \frame{\tableofcontents} \section{Main Text} \frame{Some text} \section*{Summary} \frame{Summary text} \appendix \section{\appendixname} \frame{\tableofcontents} \subsection{Additional material} \frame{Details} \frame{Text omitted in main talk.} \subsection{Even more additional material} \frame{More details} \end{document}